壁・屋根の種類

コロニアル瓦
コロニアル瓦は確実に劣化していきます石綿スレート板と呼ばれる屋根材は、セメント・石綿シリカ・バルブ等を成分としており、次のような過程で確実に劣化していきます。コロニアルは、様々な瓦の中でも軽量で安価で地震及び台風に強い優秀な屋根材ですが、唯一の欠点は左図のレベル3のように吸収しはじめると変形→防水紙の劣化→コンパネ材(若しくは野地板)にまで水が廻ります。
ひと度、変形が始まると釘で元に戻す訳にもいきません。割れるでしょう。水が廻れば雨モレの発生にもつながります。そしてこの時期、屋根の吸水だけでなく外壁の方へ水が廻りだしているのがシミで確認できるようになります。こうなると一斉の塗り工事が意味がなくなり、新たに葺替えるしか方法はなくなります。
同じ重さか、それ以下の瓦しか選べず"今度は早めに手入れして下さい"となってしまうのです。"そんなに高い費用がかかるのならもう建て直します"という話しになるのもこの時期です。
適切な時期での再生強化塗装が重要です。


洋風コンクリート瓦
洋風コンクリート瓦(乾式洋瓦)は重さで分類すると軽量瓦に入ります。瓦一枚は大きくてそのように感じられないでしょうが、屋根全体に対する枚数は、日本瓦(陶器瓦)よりも圧倒的に少なくてすみます。また座りもよくて、コロニアル瓦同様に地震、台風に強い優秀な屋根材です。が、年数経過して塗装をお考えになった時には注意が必要です。
塗膜(アクリルクリヤー)は10μm=1/100o程度で2〜3年でなくなり、防水層にあたるカラースラリー層は厚さは2〜3oですが、年間1/5o程度づつ流失しながらでも役目を果たしていますが、5年で1o流失→3oで15年としますと合わせて18年程経過した時点では、例えれば大切な屋根に薄手のブロック塀がのっていることになります。雨に打たれつづければブロック塀は年々黒くなりモロくなります。そうなってしまうと、下部の防水紙及びコンパネ材(若しくは野地板)の劣化、のちに剥離の原因となります。現実に、築後15年前後の戸建住宅団地には必ずといっていい程、洋風コンクリート瓦の塗装後の失敗例(剥離)が多数存在します。コンクリート瓦には専用の再生強化塗装工事が必要です。

セメント瓦
セメント瓦はセメントと砂(骨材)を原料とし、型枠に入れてプレス、脱水、成型したものですので陶器瓦と比べて均一性に富み、座りがよく並びが一定している。また寒割れに強い。(寒割れとは焼成温度の低い陶器瓦が冬場の低温によりひび割れが自然発生する現象をいう。)
また陶器瓦に比べて軽量ですので地震等災害に強く安心である。先の阪神大震災で崩壊した家屋の多くが重量のある瓦であったという統計が出ています。
このように、セメント瓦は利点の多い優秀な瓦ですが、数年経過すると、太陽熱・紫外線・雨により塗膜が失われると、吸水が激しくなり劣化の原因となります。特に、その雨も近年は酸性雨という強烈なセメント・コンクリートをも溶かす雨です。酸性度を示す水素イオン濃度指数のペーハー(PH)値が近年は西日本地域中心にPH4.3〜4.4(水道水はPH7.0)の酸性雨が停滞しているといわれています。
こうした酸性雨等によりセメント瓦内のカルシウムが流失し、弱くなった状態に一般塗装を施工しても効果がありません。
当社では独自の骨材を注入して再生強化塗装をいたします。

モルタル壁
モルタル壁は湿度の高い日本の風土に合った通気性のある良い壁ですが、酸性雨等によりモルタル内のカルシウムが損なわれ基材が脆弱となるため、目地他にクラック(ひび割れ)が発生し易くなります。弱ったモルタルを強くすることからが重要です。
ごく細かいひび割れをヘアクラックとか言いますが、目地等に発生が確認できるようになった時は防水塗装工事が必要です。

窯業サイディングボード
窯業サイディングボードには厚み、大きさ、縦型、横型と様々な製品がありますが、一様に言えることは、コロニアル瓦と同様に基材が弱くなり変形が発生します。
その変形を止める基材を再生することからが重要です。変形前のチョーキング(素手でさわると粉化した塗料が付着する現象)が発生した時が防水塗装工事の時期のひとつの目安となります。
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